吐き気や腹痛について
吐き気・腹痛の病気
- ノロウイルス感染症
- ロタウイルス感染症
- アデノウイルス感染症
- 肥厚性幽門狭窄症
- 急性胃腸炎
- 感染性腸炎
- 便秘症
- 急性虫垂炎(盲腸)
- 腹膜炎
- 腸閉塞
- など
吐き気について
吐き気をともなう子どもの病気で、もっとも多いのは「感染性胃腸炎」です。まず胃の動きが悪くなるため、吐き気や嘔吐の症状でスタートすることが多いです。続いて腸に炎症がおよび、下痢という症状になってあらわれます。
また、胃腸炎は非常に感染しやすい病気なので、ご家族も注意が必要です。嘔吐物やおむつを処理するときは、手洗いをしてアルコール消毒をしましょう。
受診のポイント
吐き気の症状で注意が必要なのは、脱水です。吐いたあとに水分をとることができれば様子を見ますが、嘔吐を繰り返したり、同時に下痢を起こしている場合は、早めに小児科を受診してください。
また吐いたものに血液や担汁(濃い緑色)が混ざっていたり、お子さんがぐったりしている場合は、重篤な病気の可能性があります。早めに受診をしてください。
- 嘔吐を繰り返す
- 同時に下痢を起こす
- 血液や胆汁が混じっている
- ぐったりしている
おうちでの過ごし方
吐き気があるときは吐き気が落ち着くまでは何も口にせず、胃腸を休ませてください。水分を欲したときは、お水やお茶・経口補水液などを少量ずつ20-30分毎に飲ませてあげてください。
無理に食事をする必要はありません。様子をみながら、うどんやおかゆなど消化のよいものから少しずつ食べさせてください。
腹痛について
子どもの腹痛はよく見られる症状です。しかし、小さいお子さんは言葉では上手に痛みを伝えられないため、しっかり様子を見てあげることが大事です。
急性虫垂炎(盲腸)や腹膜炎、腸閉塞など、緊急の対応が必要となる病気もあります。幼児期には便秘症もよく見られ、痛みが軽くなったりひどくなったりを繰り返すことも少なくありません。
また腹痛と同時に、嘔吐・下痢・発熱など他の症状があるかどうかも観察してください。
受診のポイント
受診の際には、症状の経過をお伝えください。
特に、
- 痛みの場所
- 最後に排便があったのはいつか
- 便の状態(色・性状・量・回数など)
- 発熱の状況
- 痛がるタイミングに規則性があるかどうか
などを詳しく記録していただけると、診察がスムーズです。
重篤な腹痛
- 血が混じっている
- お腹をぶつけ、痛みが引かない
- まっすぐに立って歩けないほど
痛がっている - 嘔吐と発熱をともなう
- ぐったりしていて
食事や水を口にしない - 間欠的・周期的に痛みがある
(激しく泣く)
医療機関を受診しましょう。
安静にしていてもどんどん痛みが強くなっていったり、 嘔吐がある場合、 そけい部(太ももの付け根の部分)が盛り上がっている場合、血が混じっている場合などは、重篤な病気の可能性がありますので、早めに受診してください。
また男の子の場合は、精巣捻転という病気でも腹痛を訴えます。睾丸が赤くなったり腫れていないかもチェックし、兆候があれば急いで小児科を受診してください。
「朝だけお腹が痛い…」は、よくあること。
特に小学生〜中学生になると、「朝になるとお腹が痛くなる」というお子さんが増えてきます。朝に限らず、毎日決まったタイミングで腹痛を訴えてくるお子さんは、何かしらストレスを抱えていることもあります。
この場合、整腸剤や漢方を処方して回復に向かうこともありますが、ストレスの原因を回避することで調子がよくなるお子さんもいます。
毎朝お子さんが腹痛を訴えているときは、一度小児科を受診してみてください。