おねしょ(夜尿症)について

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おねしょ(夜尿症)の定義

5歳以上のお子さんで、就眠中のおねしょが1か月に1回以上、3か月以上続く場合には「夜尿症」と定義されます。5歳未満のお子さんの場合は、おねしょがあっても病気とは言えません。
おねしょに関して、「どこに相談したらいいかわからない」と悩んでいる親御さんが多いのですが、小児科で治療ができます。安心して小児科を受診してください。

★ 1~2か月間、生活習慣の見直しに取り組んでも、夜尿の状況に改善がなければ、医療機関の受診も考える。
★★ 1~2か月間、生活習慣の見直しに取り組んでも、夜尿の状況に改善がなければ、医療機関を受診しましょう。

おねしょ(夜尿症)の原因

他の病気と違い、おねしょに関しては「育て方が悪かったのか」と自分を責め、悩みを抱える親御さんが多いのですが、実際にはそんなことはありません。おねしょは、実はとてもありふれた症状で、お子さんの性格も親御さんの育て方もまったく関係ありません。

おねしょは、夜寝ている間につくられる尿と、膀胱のサイズとのバランスがとれていない場合に起こります。つまり寝ている間につくられる尿の量が多すぎたり、膀胱に尿を十分にためられないと、おねしょの原因になるのです。

おねしょの治療法

01

生活改善

基本的には、生活改善に取り組むことからスタートします。生活改善によって、2〜3割のお子さんのおねしょが改善すると言われるほど重要なステップです。
2週間〜1か月程度の期間、以下の項目をポイントに生活改善を実施します。
どれだけ生活改善に取り組めたか、夜尿の有無などをダイアリーに記録していきます。

  • 規則正しい生活をする
  • 水分の取り方に気をつける
  • 塩分を控える
  • 便秘に気をつける
  • 寝る前にトイレに行く
  • 寝ているとき、冷えから身体を守る
  • 夜中、トイレに行かせるために起こさない
02

薬物療法・アラーム療法

生活改善でおねしょがよくならなかった場合は、次のステップとして「お薬による治療」や「アラーム療法」に進みます。

薬物療法

薬物療法

尿を濃縮し、量を減らすはたらきがある「抗利尿ホルモン薬」を使用します。他にもお子さんの症状に合わせ、漢方や三環系抗うつ薬を使用するケースもありますが、現在はこの「抗利尿ホルモン薬」がスタンダードな治療薬です。

アラーム療法

アラーム療法

寝る前にお子さんの下着にセンサーをつける「アラーム療法」は、水分に反応してアラーム音が鳴るため、おねしょをしたお子さんを覚醒させます。おねしょの度に目を覚ますという状態を続けることで、睡眠中の膀胱容量が増えていくと考えられています。
すぐに効果があらわれるものではありません。少なくとも6週間、3か月程度は毎晩装着していただきます。

夜尿症は治療で早く治せる可能性があります!

医療機関で適切な治療を受けることで、2年後には約80%のお子さんが夜尿症から卒業しています。
おねしょによる心理面や学校生活への影響はもちろん、他の病気が隠れている可能性もあります。小学校に入ってもおねしょが続くようなら、積極的に小児科で相談してください。